富士山登山など高い山や、海外での高所の観光などで心配しなければならないことのひとつが、高山病ですね。
富士山がユネスコの世界遺産に登録されてから、富士山が注目を浴び富士山登山に興味のある人が増えてきました。
富士山登山の際、初心者が気になる高山病対策について、経験を含めて書いていきたいと思います。
まず最初に高山病対策には、まず高山病とはどういうものなのか、何故なるのかを知ることが大切です。

目次
高山病とは
1800m~2500mを超えると高山病に注意しなければなりません。
富士山登山の4ルートの五合目の標高を調べたところ
「吉田口ルート」の五合目は、標高2305m
「御殿場口ルート」の五合目は、標高1440m
「須走口ルート」 の五合目は、標高2000m
「富士宮ルート」の五合目は、標高2400mです。
御殿場口ルート以外は、注意しなければならない標高ですね。
標高が高くなると皆さんも知っている通り気圧が低くなります。
気圧が低くなることにより血中酸素の量が減る、つまり酸欠状態になっていきます。
つまり「血中酸素濃度の低下」です。
この「血中酸素濃度の低下」により身体に変調が起きることが「高山病」なのです。
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高山病の症状
富士山登山でよく起こるのは「軽症型の高山病」で、症状としては
「頭痛」・「吐き気」・「嘔吐」・「睡眠障害」・「食欲不振」・「めまい」・「耳鳴り」・「倦怠感」
などではないでしょうか。
重症化すると「高地脳浮腫」や「高地肺水腫」といった「重度の高山病」を引き起こし非常に稀に危険な状態になることがあります。あまり症状がひどいと思う時は、高山病を甘く考えず診療所等で診てもらいましょう。

富士山 吉田口ルート五合目の人々
高山病対策
体調管理
まずは、体調を万全の状態で登山に臨むということが大事です。
登山前日は、深酒をせず睡眠をしっかり取って体調管理に気をつけ、万全の状態で登山に臨みましょう。
身体を慣らす
富士山登山といえば、五合目から登るという人が多いのではないでしょうか。
五合目のスタート地点で、
「いざ頂上めざし出発だ!」
と気持ちがはやるのではないですか?
しかし、ちょっと待ってください。
ここは、はやる気持ちを抑えて五合目で1時間から2時間、薄くなってきた酸素に身体を慣らしてから登り始めましょう。
身体を慣らすことで高山病のリスクも低くなります。
ゆっくり登る
速く登りたい気持ちは山々ですが、高山病のリスクを下げるためには、ゆっくり登るということをお勧めします。
ゆっくり登ることが、高山病予防の最善策と言われています。
グループで行く時は、1番体力の低い人に合わせることが大切です。
休息もこまめに取るようにしましょう。
呼吸
腹式呼吸を心がけ、イメージとしてはローソクを吹き消すという感じで、意識して大量の空気を吸い込んで下さい。
呼吸が浅くならないことが大切です。
水分
水分を摂ることを心がけるようにしましょう。
とにかく喉が渇いていなくても、こまめに水を飲んでください。
富士山では、水は貴重で高いですし、大量にリュックで持っていくには重いのでついついセーブしがちです。
しかし、水を飲むことで効率よく酸素が血液により運ばれ、さらに熱中症対策にもなります。
身体を締め付けない
ズボンのベルト、リュックの腹部のベルトを締め付けないようにしましょう。
スナック菓子などの袋が山でパンパンに膨れているのを見たことはありませんか?
その原理で身体も膨張するので、ベルト等を締め付けると徐々にきつくなり気分が悪くなる人もいます。
ピッタリした服やジーンズは、着ないようにしましょう。
その他
過激な運動は、やめましょう。
アルコールの摂取・睡眠薬の内服には注意が必要です。
女性で、鉄分不足から貧血を起こす方は「鉄分」の摂取をしましょう。
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高山病の症状が出たら
高山病の症状が出たらそれ以上登らない、つまり高度を上げない事です。
症状が完全になくなってから、登りましょう。
もし改善が見られない場合は、苦渋の選択になるかも知れませんがあきらめて下山を選択しましょう。
おかしくなったら、低い地点まで下りるのが鉄則です。

高山病にかかりやすい人って
高山病にかかりやすい人かどうかは、実際に行ってみないとわからないそうです。
高山病になりやすいかどうかは、それぞれの個人による差が大きく、なりやすいかどうかを調べる方法もありません。また、今までの経験によれば、高山病のかかりやすさは生まれつきのもので、次第になれることもなく、トレーニングによって改善されることもありません。
日本旅行医学会トピックスー高山病のかかりやすさは生まれつきから引用
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まとめ
楽しく富士山登山を終えるためには、怪我なく、病気なく、事故なくが大切です。
どれも、細心の注意をすることで避けられることが多いです。
ここに書いた高山病対策の中で、私が特に意識しているのは、前日の体調管理と登山中のこまめな水分補給、そして焦らずゆっくり登るということです。
天気が良く、ご来光が見られたら最高の思い出になるでしょう。