稲荷神社の総本宮である京都の伏見稲荷大社は全国に3万社ある稲荷神社の総本宮です。
参拝の醍醐味は千本鳥居やお塚などをめぐる稲荷山の「お山巡り」です。
伏見稲荷大社の回り方は朱塗りの千本鳥居からスタートしますが、所要時間はどれくらいなのでしょうか?時間がなければ1時間足らずの参拝コースもあります。
今回は「伏見稲荷大社の所要時間や回り方は?千本鳥居やお塚のご利益も!」と題して伏見稲荷の千本鳥居やお塚のご利益を授かるお山巡りについて画像とともにご紹介します。
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目次
伏見稲荷大社の回り方~千本鳥居から
本殿の左手奥にある権殿の横に並んでいる鳥居が稲荷山への入り口です。鳥居には「通り入る」という意味がありそこから先が神様の聖域です。
入り口付近の大きな鳥居が続く「命婦参道(みょうぶさんどう)」を進むと、参道が二股に分かれています。命婦参道よりも小さな鳥居がぎっしり並んでいるこのあたりが「千本鳥居」とよばれ毎年、海外からの観光客に最も人気のある撮影スポットとなっています。修学旅行生と観光客で渋滞が発生するところです↓
コロナ禍にお参りした時は、修学旅行生も観光客もおらず閑散としていましたが、2023年5月に参拝した際は、かなり多くの学生と外国人でなかなか前に進めませんでした。
左右にびっしりと並んでいる鳥居は、すべてここ伏見稲荷でご利益をいただいた人たちが感謝の気持ちで奉納したものです。
感謝の鳥居奉納は江戸時代に始まったという言い伝えがあり、稲荷山全体では、1万本以上が奉納されているといわれています。
鳥居奉納の案内は⇒⇒ こちらをご覧ください
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伏見稲荷大社の所要時間は?
奥社奉拝所(おくしゃほうはいしょ)
千本鳥居を抜けると、奥社奉拝所に出ます。ここに「おもかる石」があります。願い事をしながら石を持ち上げ、思ったよりも石が軽ければ願い事が叶う時は近し、重く感じれば願い事が叶うのはまだ先といわれています。
千本鳥居の入り口から奥社奉拝所までは通常なら10分ほどで到着します。混み具合にもよりますがここで引き返すなら往復参拝時間は30分~40分でしょう。
おもかる石のある奥社奉拝所からさらに進むとすぐ左手に「値上りの松」という根っこがもち上がっている松の木があります。株価の値上がりを待つという語呂合わせから、証券や金融関係の参拝者が多い所です。
確かに、根っこが上がっていますね↓↓
値上りの松から2~3分のところに専用帰路があるので、急ぎの参拝者はここで引き返せば往復参拝時間は30分~40分でしょう↓
さらに鳥居の参道を5分ほど上っていくと、「熊鷹社」に到着です↓
熊鷹社(くまたかしゃ)のご利益
ろうそくの炎がゆらめいている「熊鷹社」は、商売繫盛や勝負事にご利益があるお塚です。お塚とは稲荷大神様を信仰する人々が私的な守護神として石に名前を刻んで、お山に奉納したものです。
稲荷山には個人が奉納したお塚は山全体で1万以上あり、稲荷山に自分だけの神様を祀りたいと明治時代から奉納が盛んになったそう。
熊鷹社の向かいのお店でろうそくを購入すると火打石で清めてくれますよ。そのろうそくを灯して熊鷹社に供えると商売繫盛や勝負運が強くなるご利益があります。
新池=(こだまがいけ) に突き出た石積みに拝所が設けられ、熊鷹大神の御塚が鎮まっています↓
谺ヶ池(こだまがいけ)のご利益
熊鷹社のうしろにある新池は別名を谺ヶ池(こだまがいけ)といい、不思議なご利益があるパワースポットとして知られています。
行方知れずになった人の居場所を探す時、池に向かって祈願したのち柏手を打つと、こだまが返ってきた方角に手掛かりがあるというのが、こだまがいけの名前の由来でもあるそうです。
池のところに頂上までの案内がありました↓
ただし、頂上まで40分というのは、途中のお塚などにお参りする時間を考慮していません。途中でお社やお塚へお参りしたり休憩したりする場合はプラスしてください。
谺ヶ池(こだまがいけ)から10分ほど進んだところに三徳社があります↓
三徳とは、衣食住を表わすことばで、くらしを守ってくださる三徳大神が祀られています。ここから2~3分で四ツ辻にでます。ここで休憩を取りましょう↓
四ツ辻分岐
四ツ辻という展望の良い分岐路に出ます。ここは京都の町を見下ろせる絶景ポイントです。ベンチもあるのでここで一息いれましょう。
この四ツ辻までは、入り口から30~40分かかります。上り坂のため、所要時間は体力によって差が出ます。四ツ辻で引き返す場合の所要時間は参拝時間を含むと往復で1~1時間半くらい必要となります。
四ツ辻の一角にある茶店「にしむら亭」は俳優、西村和彦さんのご実家で、創業は1864年という老舗です。
時間がない観光客や、修学旅行生などは、稲荷山頂上まで行かずにここで引き返すことが多いです。
時間に余裕のある人は稲荷山山頂を目指し、お山巡りを続けましょう!四ツ辻からは右回りで回ります!右回りと言ってもそのまままっすぐ進みます。左手にも上り階段がありますが、行き止まりなので間違えないようにしてください。
地図があるのでチェックしてくださいね。お山一周約30分となっていますが、個人差はあれど実際には上り坂なのでもっとかかります。四ツ辻からは右回りで頂上まで少なくとも20分はかかります。ゆっくりお参りしながらお山巡りをすれば四ツ辻から右回り一周して四ツ辻に戻るだけで1時間必要です。
なので、参拝しながらとなると、最初の本殿まで戻る往復の参拝所要時間は、2時間半~3時間みておけばゆっくりとお参りできるでしょう。
では、四ツ辻をスタートし、まずは大杉社に向かいましょう↓
大杉社のご利益
四ツ辻をあとにし、分岐を真っ直ぐに大杉社の方へ進みます。
神様が降臨し、邪気を払ったとされる杉の木がご神体の大杉社です。
すべての杉の木こそがここ伏見稲荷大社のご神木です!
稲荷山にはたくさんの杉の木があり、神様が降り立ったという伝説から参詣者が杉の枝を持ち帰ってしまい枝がなくなったことがあるんだとか。鳥居にも杉の木が使われているそうです。
伏見稲荷大社では、ご神木である杉の枝を「志るしの杉」として毎年2月の最初の午(うま)の日に、参拝者に福をもたらすお守りとして授与しています。
大杉社は特に大工さんや材木を扱う人たちが参拝に訪れるお塚です。
さらに進んで眼力社にお参りしましょう↓
眼力社のご利益
大杉社からしばらく進むと、眼力大神をお祀りしている眼力社(がんりきしゃ)があります。
眼力大神は、視力回復や目の病気が良くなるという、目そのものに対するご利益のある社です。
また先見の明という眼力のご利益を授かりに、経営者の参拝も多いです。眼力社は、金運アップのご利益を授かるパワースポットでもあります。
さらに進むと薬力社、おせき社があります↓
薬力社・おせき社のご利益
大きな杉の木の横にある薬力社(やくりきしゃ)は薬力大神をお祀りしているお塚で、無病息災・健康長寿のご利益があります。薬剤師さんや製薬会社で働く人々がお参りされます。
薬力社のむかいにある茶屋には、有名どころの俳優陣から寄進された暖簾がかかっています。
薬力社の先にある「おせき社」には声・喉にまつわる神様が祀られているため、歌舞伎役者や多くの舞台役者や俳優などが訪れて暖簾を奉納するようになったのだそうです。のどの痛み、声がれ、せきを治してほしいと願う人々が訪れます。有名どころの声優さんたちも参拝されているかもしれませんね。
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長者社(御剣社)のご利益
長者社は御剣社(みつるぎしゃ)ともよばれ、神様をお祀りする大きな剣石があります↓
長者社は、鉄鋼の神様として信仰を集め金属加工業者の参拝が多いお塚です。
その昔、刀工・三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)が一条天皇に捧げた宝刀「小狐丸」をここで鍛えたという伝承があります。
あと一息で頂上です↓
稲荷山頂上(一の峰)
お山巡りの中で最も急な石段を上りきると稲荷山の頂上、標高233mの「一ノ峰」に到着します!
稲荷山の山頂に立つ一ノ峰こそが神様が降り立ったと言われる上社であり、末広大神(すえひろおおかみ)が祀られています。
社のまわりには小さな石碑や鳥居が置かれるお塚が最も集まる御膳谷奉拝所(ごぜんだにほうはいしょ)があります。稲荷山のお山巡りで欠かせないスポットです。
お塚とは、参拝者が自分の願い事を叶えるために作った個人の神社というべきもので今でも子孫たちが代々守り続けています。
少し下った「二ノ峰」の中社は青木大神(あおきおおかみ)、間ノ峰は伊勢大神と崇められています。さらに下った「三ノ峰」の下社は、白菊大神と崇められています。
ご利益としては、金運アップをはじめ、交通安全、海上安全、家内安全、縁結び、商売繁昌、五穀豊穣、殖産興業、延命長寿、方位除けなど様々なご神徳があります。
三つの峰があるので「三ヶ峰」ともいわれる稲荷山。一周すると、展望の良い四ツ辻に戻ります。お山詣でのルートを辿ってお参りすると稲荷山全体が大きなパワースポットとして信仰されてきたことがよくわかりますね。
小鳥居の初穂料は、0号の1600円~6号の12000円まであります。あなたに合ったパワースポットのお塚へご利益を授かりにお参りしてみてはいかがでしょうか!
ちなみに大鳥居の奉納は、21万円からとなっています。一番大きいサイズは160万円からとなっています。(2023年5月現在)
下山途中で、文字入れの様子を見ることができました↓
♦ 電車利用の場合
・JR奈良線 稲荷駅下車 直ぐ (京都駅より5分・2駅目)
・京阪本線 伏見稲荷駅下車 東へ徒歩5分
♦ 市バス利用の場合
・南5系統 稲荷大社前下車 東へ徒歩7分
大社駐車場周辺は大変混雑するので、公共交通機関の利用をおすすめします。
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伏見稲荷大社の所要時間&回り方 まとめ
伏見稲荷大社参拝の所要時間をまとめます。(上り坂なので個人差が出ます)
♦ 千本鳥居を抜け、奥社奉拝所までの往復所要時間→→30~40分
♦ 千本鳥居~奥社奉拝所~四ツ辻で引き返す場合の参拝所要時間→→1時間半
♦ 千本鳥居~奥社奉拝所~四ツ辻右回りで一周した場合の参拝所要時間→→2時間~3時間(お参りするお社、お塚の数やペースによって変わります。)
本殿奥の命婦参道(みょうぶさんどう)から千本鳥居を抜け、ご利益の社を回り画像で紹介した通りにお山巡りをしながら参拝し、一周すると2時間~3時間かかります。参拝をしないで稲荷山を一周するだけなら2時間もかからないでしょう。
鳥居は、すべてお稲荷さんでご利益をいただいた人たちが感謝の気持ちで奉納したものです。
稲荷山全体では、1万本以上の鳥居が奉納されていて、お山巡りをすると開運パワーがいただけそうな気がしますよ。
伏見稲荷大社へ参拝した際は、是非稲荷山を一周するお山巡りでお社のご利益をいただいてください。
伏見稲荷大社では、2022年1月よりペット連れ参拝が禁止になりました!詳しくはこちらで紹介しています。
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