京都の苔庭といえば奥嵯峨にある祇王寺(ぎおうじ)!
祇王寺の祇王とは平安時代の実在した人物です。庭の見どころはなんといってもとても美しい一面の苔です。
もみじや楓の木々がこもれびを作り出し、自然の苔が美しく管理されている祇王寺!祇王と平清盛や仏御前にまつわるエピソードも残されています。
今回は「祇王寺の見どころは?駐車場はある?平清盛と祇王のエピソードも!」と題してご紹介します。
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祇王寺の見どころは?
京都には苔庭を自慢としている所はとても多いです。
特に祇王寺の苔庭は湿気のたまりやすい気候の中で、自然と育まれていった苔が多く、また光の当たり具合がほどよいのでとても美しい緑一面となっています。
苔の造りも人工的にならないように極力自然が作り出す苔の美しさをそのままに維持管理されているので一見の価値があります。
祇王寺の本堂(草庵)
本堂といっても大げさな造りのものではなく、ひっそりとした庭にマッチした建物が草庵です。
草庵の奥には、庭園の竹林の緑を借景にした丸い形の窓「吉野窓」が特徴的!
窓からさしこむ光が虹色に見えることがあり、別名「虹の窓」とも呼ばれています。
草庵の仏間には、本尊の大日如来像とともに、平家物語「祇王」に登場する人物たちの木像が安置されています。平家物語の祇王とは、どんな人物だったのでしょう?
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祇王と平清盛のエピソード
平安時代末期に白拍子というものが流行りました。白拍子とは、男装した舞妓が思いついたことを和歌にして歌いながら、舞を舞うというものです。
白拍子の中でも名を馳せたのが、平清盛から寵愛を受けた祇王という名の白拍子の名手でした。
平清盛は邸宅に祇王を住まわせるほどの寵愛ぶりでした。
そののち、都で有名になった別の白拍子の名手が仏御前(ほとけごぜん)です。
仏御前は、権力者の清盛に認められたいという思いから清盛邸におしかけます。
同じ白拍子という縁もあって、祇王のはからいで仏御前は平清盛に面会させてもらうことができました。
祇王が仏御前と清盛を合わせたばかりに、清盛の寵愛は仏御前に移ってしまい、祇王は清盛の屋敷を去ることになります。
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祇王と仏御前のエピソード
白拍子の名手として名声を手にした祇王でしたが清盛の心変わりにより、その栄華から転落してしまいました。
その後、祇王は妹の祇女(ぎにょ)と母親の刀自(とじ)とともに出家し奥嵯峨の尼寺に身を寄せました。この尼寺が祇王寺です。
しばらくして祇王を没落させた張本人の仏御前が尼の姿で祇王を訪ねてきます。
いずれは白拍子の名声もなくなるであろう栄枯盛衰を悟った、わずか十七歳の仏御前の出家を断ることなく、祇王は快く迎い入れました。その後は四人一緒にこもり奥嵯峨の草庵で往生を遂げたといわれています。祇王はなんと心の広い方だったのでしょう、、
草庵には、ご本尊の大日如来像を挟んで平清盛・祇王・妹の祇女(ぎにょ)・母親の刀自(とじ)・仏御前の像が安置されています。
大日如来像と祇王の像に挟まれて安置されている平清盛の像だけが何故か正面からは見えにくく置かれています。
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祇王寺と大覚寺の関係は?
祇王寺と大覚寺には深い関係があります。
鎌倉時代に法然上人の門弟・良鎮(りょうちん)によって、往生院(おうじょういん)というお寺が創建され、祇王寺もその境内の一部となりました。
その後、往生院も衰退してしまい、祇王寺は明治初年に廃寺となりました。ご本尊の大日如来像や他の仏像は旧嵯峨御所・大覚寺によって保管されました。
明治28年、当時の京都府知事であった北垣国道氏が祇王寺の復興を支援して祇王寺が再建されることになりました。北垣知事は祇王のエピソードを後世に伝えるべきであるという思いから、自らの別荘地にあった建物を祇王寺の草庵として寄贈したのです。
現在も、祇王寺と大覚寺の共通拝観チケットが販売されています。詳しくは⇒こちら
祇王寺の公式サイトは⇒⇒⇒こちらをご覧ください
祇王寺の駐車場情報
- 祇王寺所在地 京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
- 駐車場 3台分の祇王寺専用無料駐車場があります。
(駐車スペースは3台分しかございませんので、ご参拝がお済みの方は、他の方へお譲りくださるよう、ご協力をお願いいたします。)という注意書きがあります。 - 拝観料 300円
- 大覚寺・祇王寺(2カ寺)共通拝観券 600円
※大覚寺500円、祇王寺300円 計800円の拝観料が600円
※祇王寺~大覚寺までの所要時間は徒歩約25分※共通券には有料化の大沢池エリアは含まれません - 拝観時間 9:00~17:00(受付終了16:30)
- 電話 075-861-3574
- アクセス 市バス「嵯峨釈迦堂」バス停から徒歩約15分
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祇王寺の見どころ まとめ
京都の数ある庭園の中でも、自然の苔を大事に管理されている祇王寺の苔庭は癒しのひとときを感じさせてくれるお庭です。3台とはいえ無料駐車場があるのはいいですね。
こじんまりとした草庵が苔庭にマッチしていて、草庵を寄贈した第3代京都府の北垣国道知事もこんなにきれいな苔庭を喜んでいることでしょう。
平清盛から寵愛を受けた祇王も仏御前も、白拍子の名声がいつかはなくなる日がやって来るという栄枯盛衰を悟った上の出家だったのでしょうか?
祇王寺は四季を通じて訪れたいお寺ですが特に、新緑の季節と紅葉の時期は一見の価値があります。
機会があれば一度は祇王寺の苔庭を訪れてみてください。
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